2009年から始まったリデザインプロジェクトは、未利用資材を繊維商社や企業からご提供いただき、
それらを使ってデザイン学校の学生がデザインし、
障がい者支援施設で生産、ユニー株式会社の限定店舗で販売するプロジェクトです。
パズルが組み合わさって完成するように、
協力企業・若者・障がい者、そして買ってくださるお客様が、
お買い物を通してつながります。
ユニーの本社がある愛知県尾張地方は繊維業が盛んで、多くのテキスタイルメーカーがあります。ご提供いただくものは倉庫に眠っているサンプル生地や少しの傷のために廃棄される生地ですが、この地方に古くから伝わる伝統技術で織られた貴重なものばかりでした。
デザインを専門に学ぶ学生達は、発想力豊かで魅力あふれる商品をデザインします。センスとアイディアを活かしながらも、限られた素材と障がい者支援施設で生産可能な縫製についても考え、デザインの力でプロジェクトを支えました。
学生たちによってデザインされた作品達は、コンテストによって、商品としての魅力的であるか、商品化(縫製)が可能か、など、様々な観点から厳選され、商品化する作品が選ばれます。そして毎年ユニー店舗のイベントスペースにて、デザイン入賞発表会が行われ、学生の表彰式を行なっています。この表彰式では、各種メーカーさん、学生さん、障がい者支援施設さん、ユニーの代表などが皆顔を合わせ、交流を持ち、楽しく皆のやる気を高めることによって目標に向かっていきます。
ファッション性のある商品の生産は障がい者の仕事へのやりがいと楽しさにつながります。毎年縫製技術が磨かれ、一つひとつ丁寧に作っていただいています。ユニーは障がい者の働く機会を創出し、公正な対価を支払うことで、障がい者の自立を支援しました。
検査機関で検査を行い、ユニーの販売品質基準をクリアしたものをアピタの限定店舗で販売します。「あったかいクリスマス」をテーマにした商品なので、クリスマスプレゼントとしてご購入いただいたり、リデザインプロジェクトのコンセプトに共感してくださるお客様もご購入いただいています。協力企業・若者・障がい者、そして買ってくださるお客様が、お買い物を通してつながりました。
クリスマスシーズンには、毎年恒例の名古屋スクールオブミュージック&ダンス専門学校のゴスペルチーム「NSM Gospel Ensemble」約70名による若さ溢れる元気でパワフルなゴスペルライブを開催し、リデザインプロジェクツの商品のチャリティー販売イベントを行なっています。リデザインプロジェクトの活動を知っていただくきっかけづくりにもなっています。集まった売り上げ(募金)は、被災地の子ども達にプレゼントを送る資金としています。
商品化されたアイテムは、クリスマスの時期に全国各地の限定店舗で販売されます。値段はアイテムによって異なりますが、おおむね500?1000円程度とお手頃。素材の布地は参加企業が無料で提供してくれているからこその価格なのです。
ただし「学生がデザインして障がい者が生産し、安価に販売するからといって、ただのチャリティにしてしまうつもりはありません。商品を手に取ったお客様が本当に素敵だなと思えるような、魅力的なアイテムを生み出していきたいですね」(ユニー株式会社CSR部部長 百瀬則子)というように、ユニー関係者のみなさんはこのプロジェクトに本気で取り組んでいます。デザインを募集する前には、企業から提供された布地をもって参加するデザイン学校を巡り、学生さんたちへの説明会を開き、コンセプトを理解してもらってデザインに取り組んでもらっています。
「きちんと説明会を開いて過去の入賞作品なども示して説明することもあるからでしょうか、応募してくれる学生さんたちのレベルも年々あがってきている印象です。デザイン画やアイデアだけのコンテストではなく、学生さんたちが手作りの実物を応募してくれるのも、このプロジェクトの楽しいところですね」(ユニー株式会社CSR部 土井万寿美)
環境に優しい社会の実現をめざし、日本各地で実践されている「環境と社会に良い暮らし」に関わる活動や取り組みを募集して紹介、表彰し、活動や社会を活性化するための情報交換などを支援していくプロジェクト「グッドライフアワード」のグッドライフ特別賞をいただきました。