トップメッセージ

ユニーが環境に関する業界のトップランナーとして継続して進める「エコ・ファーストの約束」。昨年度もさまざまな約束項目において、前年を上回る成果を上げることができました。今後もお客様とともに広く深く取り組むために、大きなポイントになってくるのは“伝える”“伝わる”ことにより力を注ぐこと。ユニーの環境・社会貢献活動の今を、佐古則男代表取締役社長と百瀬則子執行役員業務サポート本部CSR部長による対談でご紹介します。

(インタビュー:2016年6月27日)

お客様とともに地域に根ざしストーリーのある環境・地域貢献でエコ・ファースト企業であり続けます

ストーリーを大切に

■百瀬 ユニーの環境活動は、「法令順守」とともに、「地域を汚さない」を最重要課題としています。特に店舗からの廃棄物の発生抑制と資源循環に関しては、全店で分別・計量を実施しており、毎年発生量を削減し、リサイクル率を向上させています。2015年度は、まずエコ・ファーストで約束している食品廃棄物発生抑制において、総量で2014年度より357t削減し、前年比94.7%という結果を出すことができました。

■佐古 昨年から稼働した瀬戸プロセスセンターに生鮮食品の店内加工業務の一部を移行することで、端肉などのムダを削減した成果でしょう。高性能機械の導入による業務の効率化と食品廃棄物削減の両方に効果が見られたということですね。

■百瀬 リサイクル率も大きく改善しました。年間61.6%で前年比1.6%の改善です。食品残さをリサイクル飼料に再生利用し、それで生産した鶏卵を仕入れ販売するといった16件目のリサイクルループが岐阜県でスタートしました。

■佐古 食品リサイクルだけでなく、使用済み容器包装などを再生利用し製品化するプロセスにお客様が参加する「リサイクルボックス」は、いまや取り立てて言うほどのこともないと思われるかもしれませんが、お客様とともにという私たちの環境活動の根幹となる重要なもので、とてもわかりやすい環境貢献です。

■百瀬 新しい取り組みに、ペットボトルのキャップを再生利用し、「自動車の部品にする」というものがあります。ユニーでは、6年前から読売新聞販売店と共同でアピタ・ピアゴの店舗で集めたキャップを販売店が収集し、新聞の運搬車の帰り便で印刷工場に運び、リサイクル業者に売却。その売却益を世界の子どもたちにワクチンを届ける運動に寄付していました。しかし、その運動に問題が発生したため、見直しを図り、トヨタのハイブリッド車「SAI」や「新型プリウス」の部品に再生利用するプラスチックメーカーと連携し、新たなルートでワクチンへの寄付を継続することにしました。

■佐古 活動にしっかりとしたストーリーがあることが重要だと考えています。そのストーリーにお客様の行動が反映されることで、より参加へのモチベーションが上がりますね。

■百瀬 そのためには、成果を目に見える形でお客様に伝えることも大事ですね。ユニーの店舗全店で1年間にエコキャップが約100トン集まり、ワクチンの協会への寄付額は約360万円です。この金額は、協会への寄付団体の中で群を抜く数字になっています。

「楽しい学び」が行動を生む

■百瀬 「伝える」ということでは、ユニーは子どもを中心とした環境学習には特に力を入れています。リサイクル工場見学、夏休み自然探検隊、循環型農業体験、環境出前授業といった特別な催tしだけでなく、店舗でお店探検隊やエコクイズラリーなどを実施し、年間約1万人の小学生が買い物を通して気軽に環境を学べる機会を設けています。

■佐古 子どもの行動は家庭内に必ず波及しますからね。参加者数を一つの指標として拡大していくことが重要だと思います。

■百瀬 店舗で楽しみながらエコライフを体験できる来店者参加型の環境イベント「エコ博」も長く継続している一つです。昨年1年間、計10回の開催で、延べ約5万人という数字になっています。

■佐古 今のお母さん世代は、例えば野菜の生え方、扱い方を知らない方が多くいます。食育を含めて、体験になる“気づき”を“行動”へと移らせる活動が必要ですね。楽しんで学んだことはやってみようと思うし、ついつい人にも伝えたくなる(笑)。実体験を話すと説得力もあります。

■百瀬 5万人のお客様が口コミで10人に伝えて下さると、50万人が学んでいただけることになりますね。

「COOL CHOICE」クール チョイス を促す買い物風景の創出

■百瀬 一方、日々のお買い物を通じて消費者の行動変革を促していける活動も重要ですね。それは、「ある商品を買うことで自然と環境貢献に参加できる」というメニューを用意することです。その一つとして、今年、環境配慮型商品「eco!on」において、「オーガニックコットンTシャツ」を販売したところ、目標売り上げの116%を達成しました。この商品は、3年間農薬や化学肥料を使わない農地で生育したコットンを原料とし、地球環境や農地で働く人の健康や環境の改善に貢献しています。

■佐古 「環境にいいオーガニックコットン」と言われても、それだけではなかなか触手は伸びません。このTシャツの購入が遠い国の子ども達の笑顔につながるストーリーが伝われば、もっともっと共感を得ながら、「買い物を楽しむ」=「環境に貢献する、誰かが喜ぶ」ことへと結びつくと思います。

■百瀬 今回のオーガニックコットンTシャツでは、2015年度に愛知県が立ち上げた大学生向けプログラム「かがやけ☆あいちサスティナ研究所」(※)との協同で制作したPR動画を売り場で放映したことが効果を発揮しました。

もちろん、商品の背景をすべて伝えることは難しいですが、環境に関心や興味が生まれるきっかけを日常の買い物風景の中に配置していくということをどんどんやっていくべきですね。

■佐古 賢い選択というのは、いわば、環境問題に対する一人ひとりの自覚が問われる行動なのですが、ユニーが大事にしたいのは、エコ・ファースト企業だからということではなく、「お客様とともにやりましょう」という働きかけです。COOL CHOICE活動は、非常に領域が広い活動ですから、お客様からの提案も受けて継続していきたいですね。

(※)持続可能な未来のあいちの担い手の育成を目的に、20 名の大学生が 研究員となり、パートナー企業から提示された環境課題について解決策を研究・提案。

「つなげる」という役割

■百瀬 お客様の共感を呼んで成功しているものとして、「ドネーション企画」がありますね。これは東日本大震災を機にスタートし、協賛企業の対象商品を購入すると、1点につき1円をユニーと協賛メーカーとで出し合い、寄付金にするというものです。多い時では700万を超える金額が集まり、2015年夏には宮城県七ヶ浜町の子ども達のミュージカル上演を12社のメーカー協賛で実現しました。また花王さんとの間では、保育園・幼稚園への100冊絵本プレゼントを4年前から続けています。昨年、この様子を見たハーゲンダッツさんが自ら手を上げてくれ、こちらは木琴、カスタネットなどの楽器プレゼントをスタートさせています。

■佐古 ドネーション企画の良いところは、1本1円であっても、100万本売れると100万円の寄付ができること。まさに一人ひとりの思いが大きな形になるわけです。また、お客様は1円余分に出すのではなく、「この商品を買う」というチョイスによってそのメーカーの応援をする。それに対してメーカーは「ありがとう」の思いを込めた寄付を行うわけです。非常にうれしいコミュニケーションが生まれているのです。環境や社会貢献活動は、つまり、「何かと何かをつなげる」という社会において非常に重要な役割も含まれている。そのことにしっかり視点を置いて取り組んでいきたいですね。

■百瀬 昨年秋にスタートさせた盲導犬育成支援のための「ドネーション」+「パトラッシュ募金」がまさにそうですね。ペットフード商品のドネーション企画開催と同時に、パトラッシュ募金を連動企画として行いました。わかりやすさにも配慮し、パトラッシュの子犬に参加してもらい、盲導犬1頭あたり500万円かかることを訴えました。結果的に寄付金額は500万円には至りませんでしたが、お客様から大変好評でした。1回で結果を出すということではなく続けることが重要ですね。

■佐古 継続こそ、まさに大切です。この4月に発生した熊本地震への支援として、ユニーでも店頭での募金活動とともに、救援物資や従業員からのタオルを届けました。従業員からのタオルについては、避難所では車椅子用のトイレが少ないなどの理由で在宅にならざるを得ない障がい者宅へ物資を配布するNPOにピンポイントで寄付しました。これは東日本大震災以降、より支援物資が渡りやすい方法を考え、継続して活動を行ってきたことが生きています。

安心・安全で利用価値の高い“場”づくりを

■百瀬 社会貢献活動にはもう一つ、大切な視点として、「高齢者が安心して楽しくお買い物ができる支援活動」がありますが、これは毎年、従業員向けの講習会を開催するなど、継続して行っていることです。

■佐古 「リアルな店舗で買い物を楽しんでいただく環境づくり」がより一層求められると考えています。「買い物に行く」というのは、単に購買行動だけが目的ではなく、人とのふれあいや運動につながるもの。店舗は、そういったことも含めて利用しやすい、足を運びやすい環境でなくてはならないと思います。課題として、段差解消がその代表例として言われますが、表示の見やすさや健康に関する表現方法、あるいは健康に導くアプローチを強めていかなければいけません。

■百瀬 これは高齢者をターゲットにしつつも、実はすべてのお客様にとって

大切な視点ですよね。ショッピングセンターを使っていただく上で、医院やリラクゼーション施設、美容室・床屋、そしてもっといえばコミュニティとしての喫茶機能も強めていき、地域のコミュニティーセンターとして、安全安心に集う場所としてお買い物以外にも訪れていただきたいですね。

■佐古 高い信頼度と利用価値を維持できるよう取り組みつつ、近い将来的に、美容院やクリーニングなど高齢者宅へのさまざまな出張サービスも考えています。きれいになる、身ぎれいでいるというのは、いくつになっても喜びのある暮らしを送るのに欠かせないもの。リアルな店舗を看板として持つユニーが取り組むことで、安心して利用していただける仕組みをつくっていければと考えています。

ダイバーシティを具体的に進めていく

■百瀬 そういった挑戦を展開していくために、ダイバーシティへの取り組みもますます重要になってきますね。ダイバーシティとは、男女や障がい、年齢、国籍などの垣根なく多様性のある人材活用ですが、その一つとして、働く女性を応援する商品開発プロジェクト「デイジーラボ」では、豊田自動織機さんと共同でカーグッズの開発や女性ファッション誌「In Red」とコラボしたショコラの制作などもスタートさせています。

■佐古 店舗の来店顧客の8割が女性であるにもかかわらず、多くの場合、男性が中心の商品開発がいまだに行われているという現実は否めません。もちろん、同じ女性がやれば成功するという単純な話ではなく、「女性としての感覚や視点と、消費者のニーズをどうつないでいくか」をポイントに進めています。例えば、カーシートを女性が選ぶ場合、その色目やデザインなどは、男性感覚ではありえないと思うものが好まれたりする。その開発プロジェクトに女性目線が注がれていないことはやはりおかしい。8割の顧客が女性であることを大前提に、男性だから、女性だからではなく、一つひとつの取り組みに対して、よりふさわしい人材活用を行っていくことが大切だと思います。

■百瀬 環境先進企業として「エコ・ファーストの約束」を実現してきたユニーだからこそ、ダイバーシティ推進においても、掛け声だけでなく、一つひとつ具体的に実現への道を歩んでいきたいですね。

代表取締役社長 佐古則男(左)
執行役員 業務サポート本部 CSR部長 百瀬則子(右)